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□ 季節の移り変わり
渡嘉敷島の季節の移り変わりは,内地(沖縄県外)のそれと比べて,1~2カ月早
く変わります。
最近,その移り変わりは本来の開花時期よりも早く,また遅く咲くなど,狂い咲き
が多くなってきているように感じます。
それは『四季がニ季になる』っと,よく耳にしますがその前ぶれなのでしょうか?
◎ 春
渡嘉敷島の春は2月~5月。
1月中過ぎ頃から咲きはじめ,2月中頃が見頃の寒緋桜(カンヒザクラ)は,春の
訪れを知らせてくれます。
その頃には野イチゴ(リュウキュウバライチゴ)の花が咲き,2月末から3月初め
になると,村花のケラマツツジが満開を迎えます。
いよいよ,渡嘉敷島は春真っ盛りです。
そして3月中頃には寒緋桜の実(サクランボ)や野イチゴ,ヤマモモが実ります。
その頃からコンロンカやクチナシ,相思樹(ソウシジュ),そして母の日に咲くと
言われるノボタンも春の草花の代表です。
そうそう,夏に実を付けるシークヮーサーもこの時期に咲きはじめます。
ウグイスが鳴きはじめ,花の蜜を吸いにメジロが飛び交い,夏鳥のアカショウビン
とサギ(4~5種類)が訪れます。
国内最大のオオゴマダラ(県蝶)という名の蝶々が飛び始めるのもこの時期です。
っということで,春は渡嘉敷島の山が最もにぎやかになる,beginお薦めの季
節です。
◎ 梅雨
渡嘉敷島の梅雨は5月~6月。
渡嘉敷島の梅雨入りは,ゴールデンウィーク前後です。
梅雨入り前は,数日続けて雨がふります。
その後は晴れの日が多く,梅雨明け前はシッカリふります。
梅雨明けの目安は,6月20日頃です。
あくまでも私個人の感覚であり,その年によって変わります。
梅雨に入ると草花が生き生きしているように感じます。
シリケンイモリ(絶滅危惧種)も嬉しそうに茂みからモゾモゾっと出てきます。
そして梅雨明けと同時にセミが鳴きはじめ,渡嘉敷島は夏を迎えます。
◎ 夏
渡嘉敷島の夏は7月~9月。
梅雨が明けると山には新芽がメチャ増えて,山の緑色が2種類にも3種類にも見え
ます。
甘い香りがするサガリバナとハマユウは,夏を代表する草花です。
サガリバナは夜,モールのように咲いて,朝,日が昇るとともに散ります。
ハマユウは海岸辺りに生息し,テッポウユリのような香りを漂わせています。
そうそう,パパイア(パパイヤ)も,この時期に多く咲きます。
渡嘉敷島ではパパイヤは果物ではなく,千切りにしてスパムやハムなどと炒めたり
厚めに切って煮物にするなど,野菜として料理に使います。
また初めて目にする方は,パイナップルと勘違いされるアダンの実が熟すのもこの
時期です。
◎ 秋
渡嘉敷島の秋は10月~11月。
サキシマフヨウ,サイヨウシャジン,ダイサギソウが咲きはじめると,渡嘉敷島は
秋に入ります。
内地に生息する秋の代表的な植物ススキも渡嘉敷島で咲きます。
ただ,ハイビスカスと一緒に咲いている光景は不思議な感じがします。
そうそう11月後半までセミが鳴いています。
◎ 冬
渡嘉敷島の冬は12月~1月。
その年によって変わりますが,屋内ではスエットの上下程度で過ごせる日が多く
気温が1桁(約9℃)になるのは,一冬で2日程度です。
ですから,暖房器具は使ったことがありません。
っというより,ほとんどの家にはありません。 北海道と真逆ですね(笑)
この時期に咲く主な植物は,ツワブキとサザンカ(ヒメサザンカ)です。
葉に光沢があるツワブキは「フキ」という名が付いていますが,フキの仲間ではあ
りません。
島人は食べる習慣がありませんが,茎を食べる(料理する)ことはフキとまったく
同じです。
◎ 通年
スズメやツバメ,イソヒヨドリは,1年を通してよく見かけ,ハイビスカスとブー
ゲンビリア,ニチニチソウ,ランタナは年中咲いています。
村木のクバ(ビロー)をはじめ,リュウキュウマツ,モクマオウ,モモタマナ,ヤ
シの仲間など多くの植物が自然豊かな渡嘉敷島を守ってくれています。
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